2018年4月26日

本物のクソ野郎

Mが同居し始めてから最初の年の冬、

サラリーマンの俺は会社からボーナスを現金で貰った。

 

大手企業でもなく、景気の良い業界でも無かったけど、

当時はまだなんとかボーナスを出せるくらいの業績はあり、

俺のボーナスは手取り37万円だった。

 

ちなみに今ではボーナスなんて何年も貰っていない。

 

そのボーナスを持ち帰り、

銀行に入金に行こうとすると、

「ボーナス見せてー」とMが言ってきた。

 

「なんで?」と聞くと

Mはフリーで働いているため

ボーナスを貰ったことが無いから

ボーナスを貰った気分になりたいと言う。

 

そして、封筒から現金を出して

銀行員の様にパチパチと数えて喜んでいた。

 

そして銀行に行き、

ATMに入金すると、

40万円に増えていた。

 

家に帰り、

「40枚あったんだけど」と言うと

Mは「キリがよくなって良かったねー。おめでとー。」と言って拍手をした。

 

意味のわからない3万円を不審に思いもしたが、

俺の誕生日の数日前だったこともあり、

お小遣いでもくれたのかなと思ってちょっと微笑んでしまった。

Mは「喜んでる。喜んでる〜。」と言って拍手を続けた。

 

そして月末になり、

毎月恒例となっている家賃5万円の請求をした。

 

するとMはしれ〜っと言った。

 

「払ったじゃん。忘れたの?

 

 2重取りするつもりかよ。」と。

 

あの3万円は家賃のつもりだったのかこいつ。

「なら2万足りないじゃないか。」と言うと、

 

「その時にすぐに言えばいいじゃん。

 

 喜んでたくせに。」

 

と言い返してきた。

 

どケチのMは残りの2万円を払うことは無かった。

不毛な言い争いが続くだけ。

 

本当にこいつはクソ野郎だ。

 

 

 

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